個人民事再生
個人・個人事業主向けの民事再生手続きです。
個人債務者再生手続きは、2001年4月1日にスタートしたばかりの比較的新しい制度です。正しくは小規模個人民事再生と言います。
利息制限法により引き直し計算した債務の一部を定められた期間、債務者の同意した計画に沿って返済することにより、大幅な債務の減額ができる手続きになります。
手続きで必要な条件
○ 定期的かつ安定した収入が将来的に見込める方
○ 住宅ローン・公課租税以外の債務が5,000万円以下
○ 再生計画案に対する債務者の不同意が債権者総数の1/2以下かつ債権総額の1/2以下
○ 最低弁済額要件と清算価値保証原則を満たすこと
【最低弁済額】
| 基準債権総額 | 最低弁済額 |
|---|---|
| 100万円未満 | 基準債権総額 |
| 100万円以上500万円未満 | 100万円 |
| 500万円以上1500万円未満 | 基準債権総額の1/5 |
| 1500万円以上3000万円未満 | 300万円 |
| 3000万円以上5000万円未満 | 基準債権総額の1/10 |
・再生計画案の弁済額が、破産手続きをした場合の配当額を下回らないこと。
・破産手続きに必要な所有財産の換価処分を免れる代わりに、債務者は将来の収入から自己所有の財産価値以上のものを分割弁済する必要があるということになります。
個人再生は、債務整理の中では必要条件も多く手続きも複雑です。
個人再生が適しているかを判断するには、専門の法的知識を必要とします。
【給与所得者等再生手続き】
給与所得者等再生手続きは、小規模個人再生手続きの特則として設けられているもので給与などの安定した定期的な収入が得られる見込みのある債務者で、収入の変動幅が小さいと見込まれるときに利用できる手続きです。
小規模個人再生手続きを行なう上で必要な条件に加え、下記要件を満たす必要はありますが債権者の同意を必要としないというメリットがあります。
@無担保債務が5000万円以下で定期的収入を得る見込みのある個人。
給与所得者等再生手続きは、小規模個人再生手続きを利用できる人のうち給与またはこれに類する定期的収入を得る見込みのある人で、その変動の幅が小さいと見込まれる人が利用できます。
例えば サラリーマン・公務員・年金生活者など
給与所得者等再生手続きを利用できる人は当然、小規模個人再生手続きも利用できます。
A 一定の申立て制限がある。
以下の要件に当てはまる人は給与所得者等再生手続きを利用できません。
1、以前に給与所得者等再生手続きを利用して再生計画が認可され、その再生計画を完遂した結果免責を受けた場合は、その再生計画認可決定の確定日から7年が経過していない場合
2、ハードシップ免責(再生計画の遂行が困難となった場合の免責)が確定したとき、その再生計画認可決定の確定日から7年が経過していない場合
3、破産手続きによる免責決定の確定日から7年が経過していない場合
B可処分所得要件
小規模個人再生手続きにおける最低弁済額要件と清算価値保障原則を満たす必要があるのに加えて『可処分所得要件』を満たす必要。
可処分所得要件とは、再生計画における弁済総額が、1年間あたりの手取収入額から最低限度の生活を維持するために必要な1年分の費用(最低生活費)を控除した額の2倍以上であることです。
この最低生活費は、債務者の居住地域、年齢、家族の人数などを考慮して政令で定められた額に基づき算出する。
【住宅資金特別条項】
住宅ローン特別条項を活用することによってマイホームを維持しながら債務整理ができます。
住宅ローン特則は、あくまでも約定通りの住宅ローンを支払うことが困難となった債務者について、住宅を維持し続けられるように住宅ローンの支払猶予を認める制度です。
住宅ローンについては債権のカットはなく、利息の免除もなく住宅ローンの支払額を軽減する制度ではありません。
【自己破産との違い】
自己破産をすると借金は全てなくなりますが、個人再生は借金を大幅に減額します。減額された借金を3年かけて返済していくのが個人再生になります。
また、自己破産の場合、債務者が住宅を所有していたとすると、強制的に換価処分され債権者に配当されますが、
個人再生では住宅ローン特則を利用すれば、債務者は住宅を維持しながら借金の整理ができます。
自己破産では破産手続開始決定後の収入・財産は原則としてすべて破産者のものとなり自由に使用・処分しても構いませんが、
個人再生では原則3年間は債務者の収入から借金を債権者に返済しなければならず、その返済額も自己破産で債権者に配当される配当額を上回る必要があります。
個人再生では、自己破産と違い、浪費・ギャンブルなどで多額の借金をしてしまった人でも、要件に合致さえすれば利用可能であり、
自己破産のような資格制限もないので、司法書士・弁護士・税理士・会社の役員などの職に就いたまま利用が可能。
【メリット】
○ 所有する財産を手放すことなく、経済的再生をはかれる
○ 民事再生後、現在の債務(借金)を大幅に圧縮できる
(将来の利息をカットできる)
○ 住宅ローン以外の債務を法的に減額できる
○ 免責不許可事由がない
○ 給料に見合わない消費やギャンブルも手続きが可能
○ 資格制限がない(自己破産ができない方でも、民事再生は可能)
○ 住宅ローンの返済スケジュールを変更できる
○ 財産を処分する必要がない
○ 民事再生の申し立てをすると支払いや差し押さえを止めることができる
【デメリット】
○ 手続き期間が長い
○ 原則3年間支払い続ける
○ 安定した収入がなければ利用できない
○ 民事再生の手続きが複雑でまとまった費用がかかる
○ 民事再生の手続きが認められなければ、自己破産に移行される場合がある
○ 住宅ローンの返済額は減額されない
○ 信用情報機関に登録される
○ 官報に掲載される
【費用】
収入印紙(申立手数料) 1万円
予納金 1万2000円程度
個人再生委員選任費用 20万円程度
(裁判所によっては個人再生委員を選任する必要があります。個人再生委員が選任されるかどうかは裁判所によって異なります。
裁判所によっては弁護士・司法書士が関与した申立ての場合には個人再生委員が選任されない場合もあります。)
*個人再生の費用は他の債務整理と比べても一番高いです。
また、個人再生手続きは債務整理手続きの中でも一番難しいと言われています。
(専門家に依頼する際の目安)*上記とは別途
弁護士 30万円〜60万円
司法書士 20万円〜30万円程度
*事務所によってことなりますので、各事務所にお問い合わせ下さい。
















